- 発達の遅れは早期発見で未然防止を
最近、あごの発育が遅れている子供が非常に多くなっています。子供のあごの発育にはさまざまな段階があります。
まず、生まれてから1年位まではお乳を吸っているので吸引による成長がみられます。穴の大きな哺乳(ほにゅう)瓶ばかり使うところから成長が狂い出します。母乳の人はほとんど大丈夫です。その後、子供の歯が生えてきて、かむことを覚えていきます。このころ、かむことをしっかり身に付けているとあごは正常に発育します。
しかし、最近の症例では、1歳半から3歳にかけてあごがほとんど使われず、あごの骨が細く弱くなっています。3歳で乳歯が並びますが、すき間がほとんどなく、きちんと並んでいると正常です。乳歯がでこぼこに並んでいると、成長の遅れがあります。
3歳から6歳にかけてあごは一回り大きくなりますが、6歳では全部の歯と歯の間にすき間ができていて正常だと判断できます。6歳児なのに、すき間が全くなくて、ちゃんと並んでいる歯は、かなりの遅れが確認されます。1歳の段階で歯が生えてきたらまず、歯科医師にあごの成長を見てもらいましょう。
- 虫歯にならない予防と工夫必要
- 硬いものをかみ砕く、筋を切ったり、皮をむいたり、荷物をくわえたり、かじりついてぶら下がったり・・・。
原始人たちが日常生活を営む上でやってきた行為に歯はかなり介在していたと考えられます。しかし、近年そのような行為はまったくしなくなっています。もちろん生活の中でできればいいのですが、かなり不可能に近いはずです。
では、何か方法はと考えたのが子供とタオルで綱引きです。片方を親が持って(または、くわえて)、片方を子供にくわえさせます。このとき必ず四つんばいになってください。はいはい状態でゆっくりくわえたタオルを引き合います。パパかママが、子供の頭を押さえながらやってくれれば後ろにひっくり返らないで安心です。
あごは想像以上の力がかかっているのがわかると思います。1日に1回くらい毎日続けるとかなりの効果が期待できます。
あごを丈夫にすることを考えてみて下さい。あごの成長に大きく関与する原因として、乳幼児からの虫歯があります。1,2歳くらいの子でどうしても治療が困難な場合は、虫歯の進行止めを行いますが、それ以外は小さいうちに必ず治してください。進行止めを塗っても虫歯は治りませんし、子供の発達や発育に遅れを生じらせます。必ず治してもらってください。虫歯があるとよくかめませんし、子供はかまなくなっていきます。毎日仕上げ磨きをせめて8歳くらいまではしてあげてください。
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成長を遅らせる口の開けっ放し...直してあげて
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あごの成長に関わる他の原因として開口壁(かいこうへき)、要するに口を開けっぱなしになってしまう症状の事をさします。
生態的に口とは何をするところでしょうか?食べる、会話する、そして呼吸もします。過激な運動などをした場合で、はぁはぁ~と口で息を吐き出しますが、吸うのは基本的には鼻でなければいけません。
ところが、開口壁の子供は常に口を開けていますので、自然と口で呼吸してしまいます。口を開けっ放しにするのは、唇の周りの口輪筋(こうりんきん)の未発達、または劣成長が考えられます。なぜ、口が閉まらなくなるのでしょうか?考えられることは、母乳を与えることにさかのぼります。
母乳を与えると赤ちゃんは疲れてそのまま眠ってしまいますが、そのときにお母さんが優しく口を閉じさせてあげたかどうかが大事な気がします。口を常に閉じることを必要と感じた母親は口を閉じさせるでしょうが、気が付かなかった親はそのままにしてしまいます。ここから始まるのではないでしょうか。
まず口は閉じてあげてください。もちろん起きているときに口を開けていたときは、優しく口を閉じなさいと言ってあげてください。口を開いていると、舌の筋肉が成長しません。舌は自ら成長するとともに上あごと下あごを成長させますが、開口壁の子は著しく成長を遅らせます。あごは骨と筋肉でできています。足や腕を鍛えるのと一緒で口の周りの筋肉を鍛えてあげなければあごは成長しません。
当クリニックでは、あごの成長の遅れを早く見つけて、正常なあごにします。骨格を成長させる最新の治療法を導入し、なるべく少ない負担のうちにあごの治療をすることを薦めています。歯並びが気になったり、ちゃんと並んでなかったり、反対にかみ合っていたり、変なところから歯が生えてきたり、小さい子供のうちはご両親が気づいてあげてください。そして心配であればいつでもご相談下さい。
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北海道帯広市公園東町3丁目3-2